世界遺産検定2級合格の練習問題&解説【日本の世界自然遺産 ④|小笠原諸島】
こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「日本の世界遺産」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題を参考に作成しています。)
世界遺産検定2級合格ー日本の世界自然遺産 ④:小笠原諸島
▶ 登録の概要
・ 登録年:2011年、登録基準:(ⅸ)、地域:東京都
小笠原諸島は、東京から約1,000km離れた海上にあり、大陸と一度も陸続きになったことがない海洋島です。世界遺産には、聟島(むこじま)列島、父島列島、母島列島の3列島からなる小笠原群島を中心に、火山列島である北硫黄島(きたいおうじま)、南硫黄島(みなみいおうじま)、更に小笠原群島の西に位置する独立島の西ノ島(にしのしま)などを含む30余りの島々の陸域と、有人島の父島と母島では、集落を除いた区域と周辺の海域の一部を含む総面積79.39km2が登録されています。緩衝地帯(バッファー・ゾーン)は設定されていないが、東京湾まで続く「世界遺産管理エリア」が設定されています。
日本の世界自然遺産②の練習問題
1⃣ 『小笠原諸島』において高い固有率を示す植物( A )と、「小笠原諸島」に認められている登録基準( B )の組み合わせとして、正しいものはどれか。
【難易度:中】
2⃣ 『小笠原諸島』に関する次の文中の空欄( A )、( B )に当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
小笠原諸島では、自然に分布している( A )の25%、( B )の約95%が固有種である。
【難易度:中】
3⃣ 『小笠原諸島』の説明として、正しいものはどれか。
【難易度:中】
練習問題の解説
▶ 遺産の概要
◆ 小笠原固有の生きもの
小笠原諸島は、大陸と一度も陸続きになったことがないため、海を越えて辿り着いた生きものは、独自の進化を遂げたり、もともと同じ種類の生きものが、環境の違いによって、そこに適した形や色へと変化し、多系統に分かれる「適応放散」などの進化が認められています。
その結果、小笠原にしかいない固有種や固有亜種の割合が高く、維管束植物(いかんそくしょくぶつ)全体の約40%、昆虫類は全体の約25%、陸産貝類(りくさんかいるい)では約95%(約100種)にもなります。特に固有属のカタマイマイ属は種類が多く、適応放散を観察することができます。
陸上生物は、移動能力が高い鳥類を除くと、従来の爬虫類はオガサワラトカゲ、ミナミトリシマヤモアリの2種のみで、両生類に至っては皆無です。従来の哺乳類では飛行能力を持つオガサワラオオコウモリの1種のみであることにも、海洋島における生態系の特徴が見られます。
◆ 陸産貝類(カタツムリの仲間)
約100 種の在来種のうち、90%以上が固有種で、固有種率が極めて高く、現在も新種の発見が続いています。
◆ オガサワラオオコウモリ
オオコウモリ科に属する小笠原諸島唯一の固有哺乳類です。父島、母島、火山列島に生息が確認されています。国の天然記念物です
《 小笠原の歴史 》
小笠原諸島は、安土桃山時代の武士で、南洋探検を行った信濃国深志城の城主・小笠原貞頼(おがさわらさだより)によって1593(天正20)年に発見されたと伝えられています。1675(延宝3)年には江戸幕府が調査のために調査船・富国寿丸を派遣し、父島と母島に「此島大日本之内也」という日本領であることを宣言する碑を設置して帰還しました。
1830(文政13)年までは無人島で、最初に小笠原に住んだのは5名の欧米人とハワイを主とする太平洋諸島民でした。1860(安政7)年頃から日本からの本格的な移民が始まり、戦前はサイパンなど南洋諸島への中継基地として重要な役割を果たしていました。
太平洋戦争末期の1944(昭和19)年には多くの島民が本土へ強制疎開させられ、戦後も、一部の欧米系島民を除いて島に戻ることができませんでした。1968(昭和43)年6月に小笠原は23 年ぶりに日本に返還され、島民の帰島がようやくかなうようになりました。硫黄島は返還後も火山活動など自然条件が厳しいとの理由により一般住民の帰島は実現しておらず、現在は自衛隊の基地が置かれています。
1979 年(昭和54 年)には村政が確立され、現在まで自然との共生を目指した村づくりが続けられています。
(引用先:http://ogasawara-info.jp/pdf/panphlet/panphlet_ogasawaraH23_1.pdfより一部抜粋)
▶ 関連記事の紹介
終わり
世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。
近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。
2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。
初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。
市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。
また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。
▶ 学習に便利な書籍紹介
▶世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)
・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)
初めに基礎知識と日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。