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世界遺産検定2級合格の練習問題&解説【日本の世界文化遺産 ⑭|富岡】

こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「日本の世界遺産」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題を参考に作成しています。)

基礎知識」に関してはこちらをご覧ください。 

 

世界遺産検定2級合格ー日本の世界文化遺産 ⑭:富岡製糸場と絹産業遺産群

▶ 登録の概要

・ 登録年:2014年、登録基準:(ⅱ)・(ⅳ)、地域:群馬県

 

19世紀後半に設立された歴史的な養蚕と製糸の施設集合体です。生糸の生産段階に応じた4つの資産で構成されています。器械的・産業的な専門知識はフランスから輸入。生糸工場の富岡製糸場(とみおかせいしじょう)、繭の生産を行う養蚕場の田島弥平旧宅(たじまやへいきゅうたく)、養蚕知識を普及する教育機関高山社跡(たかやましゃあと)、そして蚕種(卵)を保存する貯蔵施設の荒船風穴(あらふねふうけつ)の4つの資産になります。

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日本の世界文化遺産⑭の練習問題

1⃣⃣ 富岡製糸場と絹産業遺産群に含まれる構成資産に関し、「清涼育」が確立された場所( A )と、「清温育」が確立された場所( B )の組み合わせとして、正しいものはどれか。

 

A.田島弥平旧宅 ― B.富岡製糸場
A.荒船風穴 - B.富岡製糸場
A.田島弥平旧宅 ― B.高山社跡
A.荒船風穴 ― B.富岡製糸場

【難易度:中】 

 

 

2⃣ 富岡製糸場と絹産業遺産群に関する次の文中の語句で、正しくないものはどれか。

富岡製糸場は、(①明治時代初期)に操業を開始した、日本初の官営器械製糸場である。フランスから招聘された(②ポール・ブリュナ)の指導の下、工場は(③木骨レンガ造)の和洋折衷の様式で、屋根組みは三角形の構造をもつトラスト構造が採用され、広い空間が確保された。工員は(④ほぼ男性)であり、技術を身につけたものは出身地に戻り指導者として活躍した。

 

明治時代初期
ポール・ブリュナ
木骨レンガ造
ほぼ男性

【難易度:中】 

 

 

3⃣ 富岡製糸場と絹産業遺産群に含まれる「富岡製糸場」の説明として、正しいものはどれか。

 

イギリス人建築家による設計で、忠実にヨーロッパの建築様式を模している
日本初の鉄筋作りの建造物群である
富岡製糸場の操業から数年足らずで、日本は世界一の生糸輸出国となった
富岡製糸場は殖産興業による富国強兵を掲げた明治政府によって築かれた

【難易度:中】 

 

 

練習問題の解説 

構成資産の概要

富岡製糸場(とみおかせいしじょう)

1872(明治5)年、フランスから招聘した技術者ポール・ブリュナの指導の下、明治政府が初めて設立した官営器械製糸場です。民営化後も一貫して製糸を行い、製糸技術開発の最先端として国内養蚕・製糸業を世界一の水準に牽引しました。また、田島家、高山社、荒船風穴などと連携して、蚕の優良品種の開発と普及を主導しました。

 

《 木骨レンガ造りとトラス構造 》

富岡製糸場は、西欧の技術と日本の技術が融合した和洋折衷の建造物群で、製糸場の繭倉庫や繰糸所は、日本古来の木造の柱に西欧伝来のレンガを組み合わせた木骨レンガ造りと呼ばれる構造で造られています。また、柱の少ない広い工場空間を確保するため三角形を基本としたトラス構造の屋根組みも見られます。三角形を組み合わせた構造は、梁に力が直接かからないため、柱と柱の間隔を大きくとることができ、大きな空間が確保できます。

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(トラスト構造)

 
田島弥平旧宅(たじまやへいきゅうたく)

通風を重視した蚕の飼育法「清涼育」を確立した田島弥平が、1863(文久3)年に建てた住居兼蚕室です。間口約25m、奥行約9mの瓦葺き総2階建てで、初めて屋根に換気用の越屋根が付けられました。

 

◆ 高山社跡(たかやましゃあと)

1883(明治16)年、高山長五郎は通風と温度管理を調和させた「清温育」という蚕の飼育法を確立しました。翌年、この地に設立された養蚕教育機関高山社は、その技術を全国及び海外に広め、清温育は全国標準の養蚕法となりました。

 

◆ 荒船風穴(あらふねふうけつ)

1905(明治38)年から1914(大正3)年頃に造られました。岩の隙間から吹き出す冷気を利用した蚕種(蚕の卵)の貯蔵施設で、冷蔵技術を活かし、当時年1回だった養蚕を複数回可能にしました。

 

▶ 富岡製糸場の取り組み

富岡製糸場は「富国強兵・殖産興業」の模範工場として、3つの内容に取り組みました。

1.洋式の製糸技術を導入すること

2.外国人を指導者とすること

3.全国から工女を募集し、伝習を終えた工女は出身地へ戻り、器械製糸の指導者とすること

1と2は、フランスから技術移転を図り、指導者もフラン人のポール・ブリュナを招聘しました。

3は、外国人指導の下で働くことへの抵抗があり、募集は難航したが、各府県に人数を割り当て、士族の子女を中心に多くの人材が集められました。その後、器械製糸の指導者となり、習得した技術を日本各地に広めました。

  

▶ 関連記事の紹介

www.nil-blog.com

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worldheritage.pref.gunma.jp

 

終わり

世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。

近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。

2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。

初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。

市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。

また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。

 

最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。

 

▶ 学習に便利な書籍紹介 

世界遺産検定公式過去問題集1・2級<2021年度版>

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くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト<第3版>

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世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)

・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)

初めに基礎知識日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。