世界遺産検定2級合格の練習問題&解説【日本の世界文化遺産 ③|古都京都】
こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「日本の世界遺産」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題を参考に作成しています。)
世界遺産検定2級合格ー日本の世界文化遺産 ③:古都京都の文化財
▶ 登録の概要
・ 登録年:1994年、登録基準:(ⅱ)・(ⅳ)、地域:京都府・滋賀県
京都は794年から1868年にかけて天皇が居所をおいた日本の首都であり、1,000年以上にわたって日本文化の中心地として、日本の木造建築、特に宗教建築の発展と、世界中の造園に影響を与えてきた日本庭園の芸術を示しています。
北、西、東の三方を丘陵に囲まれた盆地という地理的特徴を利用して建設された都市です。中央の平地部では、幾多の兵火に見舞われて火災が頻発し、多くの建物などが失われては再興されるという繰返しでした。しかし、周辺の山麓部は災害を免れ、起伏に富んだ自然地形を利用して建てられた大寺院や山荘・庭園がいまでも多数残されています。
構成資産は、16社寺と1城の17件が世界遺産に登録されています。
日本の世界文化遺産③の練習問題
1⃣ 『古都京都の文化財』に関する次の文中の語句で、正しくないものはどれか。
『古都京都の文化財』は、(①桓武天皇)による平安遷都から(②1,200年の節目)を迎える1994年に世界遺産に登録された。その構成資産は、平安時代の公家文化を伝える(③高山寺)をはじめ、室町時代の「わび」「さび」の美意識を重視した(④慈照寺)など、各時代を代表する寺院や城が17件からなる。
【難易度:中】
2⃣ 『古都京都の文化財』に関し、次の3つの説明から推測される寺院として、正しいものはどれか。
ー 1052年、藤原頼道によって仏堂に改められた
ー 阿弥陀堂が現存する
ー 公家文化の香り漂う、平安時代の遺産である
【難易度:中】
3⃣ 『古都京都の文化財』に関し、枯山水の代表作とされる、白砂の15の石組を配した石庭をもつ寺院として、正しいものはどれか。
【難易度:中】
練習問題の解説
▶ 構成資産の概要
◆ 各時代を代表する寺社や城
古代中国の唐の都城をモデルに、桓武天皇(かんむてんのう)が平安京を794年に築いて以来、約400年にわたり貴族文化の中心地として国風文化が花開きました。平安京造営当初を伝える資産としては、国家鎮護の「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」や「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」、平安京の鬼門に位置し後に国家鎮護の道場として繁栄した「延暦寺(えんりゃくじ)」などがあります。
平安時代末期になると、末法思想なども重なって、阿弥陀堂の救いによって極楽浄土への導きを願うようになりました。その時代を伝えるのが、浄土思想が文化的に完成した「平等院(びょうどういん)」や、その鎮守社の「宇治上神社(うじかみじんじゃ)」です。
1185年の内乱を経て、鎌倉に政権が誕生した後も、京都には朝廷貴族の権威が維持されており、公家文化や武士文化、仏教文化が影響し合っていた。その時代を代表するのが、鎌倉時代の住宅的な建築様式を伝える石水院が現存する「高山寺(こうざんじ)」です。
1338年に室町時代が成立し京都に政権が戻ると、足利義満(あしかがよしみつ)の「鹿苑寺(ろくおんじ)」に象徴される、武家の政権を示しつつ憧れの公家文化を取り入れ、そこに禅宗を通した中国文化を融合させた北山文化が栄えました。15世紀中頃には、その融合を更に深化・洗練された足利義政(あしかがよしまさ)の「慈照寺(じしょうじ)」に象徴される、「わび」「さび」の美意識が色濃く示されなどの東山文化が栄えました。枯山水の代表格ともいえる「龍安寺(りょうあんじ)」は、白砂の15の石組を配した石庭で有名です。
1467年から11年に及ぶ戦い(応仁の乱)によって、京都は都市としての形を失うほどの被害を受け、古代からの多くの資産が焼失しましたが、有力市民らによって再建・保護されてきました。
長らく続いた戦乱の世を経て、織田信長に続く豊臣秀吉の天下統一、徳川家康による江戸幕府の誕生により政治が安定し、都市では商工業が栄えて武将や豪商を中心とする桃山文化と呼ばれる豪壮華麗な文化が花開きました。この時代を象徴するのが、秀吉自ら設計を行った「醍醐寺(だいごじ)」、豪華な書院建築の「本願寺(ほんがんじ)」、二の丸御殿の残る「二条城(にじょうじょう)」です。
江戸時代には「清水寺(きよみずでら)」や「仁和寺(にんなじ)」などが伝統的な建築様式を用いて再建されました。
◆ 構成資産17件の一覧表・MAP
▶ 関連記事の紹介
http://www.pref.kyoto.jp/isan/
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000005538.html
終わり
世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。
近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。
2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。
初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。
市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。
また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。
▶ 学習に便利な書籍紹介
▶世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)
・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)
初めに基礎知識と日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。