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世界遺産検定2級合格の練習問題&解説【日本の世界文化遺産 ⑧|日光】

こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「日本の世界遺産」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題を参考に作成しています。)

基礎知識」に関してはこちらをご覧ください。 

 

世界遺産検定2級合格ー日本の世界文化遺産 ⑧:日光の寺社

▶ 登録の概要

・ 登録年:1999年、登録基準:(ⅰ)・(ⅳ)・(ⅵ)、地域:栃木県

 

日光山内にある「二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)」と「東照宮(とうしょうぐう)」の2つの神社と、「輪王寺(りんのうじ)」の仏教寺院2社1寺に属する103(国宝9棟、重要文化財94棟の計103棟)の「建造物群」と、これらを取り巻く遺跡文化的景観)からなる集合体です。

これらは周囲の環境と共に、伝統的な日本の宗教中心地の好例をなしており、東照宮輪王寺大猷院(たいゆいん)の権現造り(ごんげんつくり)は、江戸時代の建築表現の頂点です。

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8世紀末、修験道の高僧である勝道上人(しょうどうしょうにん)が日光開山以来、約1200年の歴史を有し、古くから山岳信仰の聖地となり日本有数の霊場です。

初代将軍徳川家康1616病没すると、翌年から側近であった僧の天海が、霊廟である東照宮(創建時の名称は東照社)を造営します。3代将軍徳川家光の下、1634年に「寛永(かんえい)の大造替(だいぞうたい)」と呼ばれる大改修が行われ、権現造りを主体とする現在のような東照宮が完成します。また、3代家光霊廟である輪王寺大猷院(たいゆういん)を含めて日本の権現造り様式の最も重要な見本となっています。

江戸時代には、東照宮を含む山中の寺院は一体のものと考えられていたが、明治に入ると、明治政府の「神仏分離令」により、日光山周辺の社寺は「2社1寺」に分離され、幾つかの建造物が移設されました。

 

日本の世界文化遺産⑧の練習問題

1⃣⃣ 日光の社寺の説明として、正しくないものはどれか。

 

東照宮寛永の大造替によって権現造りを主体とする姿となった
明治維新神仏分離により、東照宮二荒山神社輪王寺の2社1寺に分かれた
徳川家光の時代、1年5ゕ月をかけて寛永の大造替が行われた
輪王寺の大猷院は徳川家康の霊廟として建設された

【難易度:高】 

 

 

2⃣ 日光の社寺に関する次の文中の語句で、正しくないものはどれか。

日光の社寺は、東照宮をはじめとする(①1社2寺)で構成されている。東照宮は、徳川家康の側近であった僧(②天海)が築いた(③東照社)を前身とする。敷地内には芸術性の高い建造物が多くあり、500を超える彫刻で飾られた(④陽明門)が広く知られている。

 

1社2寺
天海
東照社
陽明門

【難易度:低】 

 

 

3⃣ 日光の社寺に関し、「東照宮」( A )と「二荒山神社」( B )の本社の建築様式の組み合わせとして、正しいものはどれか。

 

A.権現造り - B.八棟造り
A.権現造り - B.春日造り
A.八幡造り - B.八棟造り
A.八幡造り - B.春日造り

【難易度:中】 

 

  

練習問題の解説 

構成資産の概要

東照宮(とうしょうぐう)

東照宮は、初代将軍徳川家康霊廟として1617(元和3)年に創建されたのが始まりで、現在の主要な社殿は、三代将軍徳川家光の「寛永の大造替」によって1636(寛永13)年に造営されたものです。東照宮の建築では、本殿と拝殿を石の間で結ぶ「権現造」様式の完成形とされます。

 

◆ 二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)

二荒山神社は、日光山岳信仰の中心として大己貴命(おおなむちのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、味耜高彦根命あじすきたかひこねのみこと)を祭神とする神社です。本社本殿は、神社建築様式の1つの「八棟造(やつむねづくり)」が取り入れられています。

 

輪王寺(りんのじ)

輪王寺は、766年に日光開山した修験道の高僧である勝道上人(しょうどうしょうにん)が創建した「四本龍寺」を起源とする寺院です。輪王寺は、日光山の中心となる寺院として発展し、1653(承応2)年には3代将軍徳川家光の霊廟である大猷院霊廟(たいゆういんれいびょう)が造営されました。

 

◆  陽明門(ようめいもん)

日光で最も有名な建築である陽明門は、1636(寛永13)年に造営された建造物。1本だけ彫刻の模様が逆になっている「逆柱」には、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という伝承に基づき、わざと未完成にすることで災いを避けるという意味が込められ、魔除けのために逆柱にしたとされています。鎌倉時代の「徒然草」には、完全なものは決して良くはない、それで内裏を造る時も、必ず1か所は造り残しをするとあり、江戸時代には家を建てる時「瓦三枚残す」のも同じ意味です。また、1654年に創建当時の「檜皮葺(ひわだぶき)」から「銅瓦葺」の屋根に改められるなど、当時としては先進的な防火技術が施されました。

 

▶ 権現造(ごんげんづくり)

日本の神社建築様式の1つです。横長の拝殿と本殿の間を「石の間(いしのま)」または「相の間(あいのま)」と呼ばれる細い部屋でつなぎ、2棟を工字形で一体化したものです。権現造の発祥は静岡県久能山東照宮(1617年建立の社殿)とされます。

東照宮本社では、山の斜面を活かし、一番奥に位置する本殿の床を拝殿より高くする造りになっています。「相の間」は石が敷かれており、「石の間」と呼ばれるのに対し、輪王寺大猷院では、板張りの上に畳を敷いた「相の間」で拝殿と同じ高さです。

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終わり

世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。

近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。

2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。

初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。

市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。

また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。

 

最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。

 

▶ 学習に便利な書籍紹介 

世界遺産検定公式過去問題集1・2級<2021年度版>

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くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト<第3版>

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世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)

・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)

初めに基礎知識日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。